四季 生き物達の風景

アクセスカウンタ

zoom RSS エナメルの輝き カナブン三銃士

<<   作成日時 : 2016/08/18 18:16   >>

ナイス ブログ気持玉 22 / トラックバック 0 / コメント 10

画像
     アオカナブン   2016年 7月30日 埼玉県
皆様こんばんは
8月も半ばを過ぎ、晩夏の色が濃くなっています。
昨日は久々の猛暑日でした。しかし天候不順で晴れが続かず、
これでは本格撮影に出られません。仕方なくオリンピックと高校
野球を見て様子を見ています。週末の回復に期待ですが、虫の
時期が終わってしまいます(涙)。まあ冷夏よりはいいですね。


さて今日はフランスの19世紀文学からスタートです^^。
巌窟王ことモンテクリスト伯などで有名なアレクサンドル・デュマ
代表作にダルタニャン物語「三銃士」があります。銃士として一旗
揚げようと元銃士の父親の友人トレヴィル銃士隊長を頼ってパリへ
出てきた主人公ダルタニャンはひょんなことから銃士隊のスター
三銃士と決闘するはめになり、そこから三銃士との友情が生まれ、
共に王妃のために戦うというストーリーです。


その三銃士の面々ですが、3人とも超一流の剣士です。
  アトス  :名門貴族の出身で誇り高くがっちりした体格の武人
  ポルトス:ややメタボぎみの陽気で人を食った性格の盛上げ役
  アラミス:おしゃれなイケメンで神学を学ぶクールな聖職者希望
と個性的なメンバーです。

今回のテーマはカナブン、コガネムシ科のハナムグリ属で樹液食に
特化したグループです。代表三種を三銃士になぞらえて紹介します。


一番手のポルトスは1番の普通種カナブン。 平地から低山地
に分布。体の幅が3種でもっとも広い体形とひょうきんなしぐさから
ポルトスにしました。
画像
色は緑がかった茶色で、弱いエナメル系金属光沢があります。
画像
     カナブン   2014年 7月27日 埼玉県
色の個体差は割と大きく、上の写真の上の個体は下の個体より緑味が
強い感じです。また赤っぽい個体もいます。ごく稀に紺色の個体も出ます。
これはたった一度子供の頃地元で捕まえたことがあります。
画像
     カナブン 緑色型   2014年 7月27日 埼玉県 トリミング ややブレ
緑型の個体です。濃い深緑色で、こんな色が多い傾向にありますが、
もっとが薄くアオカナブンと勘違いされるような色の個体もいます。
アオカナブンとの識別はまず山地か丘陵地かどうか? 平地には殆ど
アオカナブンはいません。
次に体形、アオカナブンは細長い体形です。そして緑色が鮮やかです。
決め手後脚の付け根です。左右の脚がくっついていればアオカナブン
離れていればカナブンです。

成虫の食べ物
クヌギ・コナラ・樫類・柳・楓・竹類などの樹液の他に熟して落ちたり
他の虫が穴をあけた桃などの果実も食べます。よって果樹農家から
害虫扱いされることがあります。親戚のハナムグリ類と違い、花には
来ません。
口は咀嚼する動きでブラシ状の器官を動かし、液体を舐め取る構造
になっています。噛む大あごはありません。

樹液場ではカブトムシクワガタスズメバチに追い立てられる弱者
ですが、かなりずうずうしいしたたか者で、ちゃっかり隙をついて樹液に
うまくありつく能力を持っています。自分より弱い者には頭部の鼻先で
突進して追い立てます。

成虫の匂い:特殊な薬品のような独特の匂いがあります。


カナブンの幼虫は木の腐った腐葉土のようなものを食べているようで
クヌギの樹の根元の樹洞にいたのを子供の頃見た事があります。
会社で木製のパレット(品物をフォークリフトで運ぶために載せる台)
が長く置かれた場所によくカナブンが飛来していました。
何齢かは調べていませんが長さ3センチくらいの幼虫をよく見ます。
形は他のコガネムシ類と同じカブトムシの幼虫の形のクリーム色で頭
が茶色の芋虫です。
皮膚は丈夫で剛毛がまばらに生えています。

面白いのは歩き方です。多くのコガネムシ類幼虫は小さな6本の脚で
体をひきずりやっとこさ這いますが、カナブンなどハナムグリ属幼虫
は仰向けになって脚を使わず背中を波打たせ、ヒトリガの毛虫並みの
かなりのスピードで這います。


続いてアトス、がっちりした黒づくめのクロカナブンです。
画像
     クロカナブン   2011年 8月26日 茨城県
まさにエナメルの鎧で固めた漆黒の剣士ですね。

先日フィールドを歩いていたらクロカナブンが1か所に5匹も群れて
ホバーリングしながら飛んでいました。樹液など餌になる物はなさ
そうな場所です。何かと思って覗くと、キヅタの枝に1匹止まっていて、
そこに他の個体が集まっていました。
画像
なるほど、1匹のメスにオスが集まっていたわけです。
競争に勝ったオスがメスとペアになりました。
画像
     クロカナブン   2016年 7月24日 茨城県
カナブンアオカナブンより遅れて7月下旬頃から姿を見せます。
全身真っ黒のエナメル光沢があり、体形はやや細長い。平地から
低山地に分布、地元にもいます。
幼少の頃、東京の井の頭公園で捕まえたことがあります。

成虫の匂い:発酵したフルーツと生ごみを混ぜたような匂い。
        人間の唾液の匂いにも似ている。


そして美剣士アラミスは美しい緑のエナメルに彩られたお洒落な
アオカナブンです。
画像
他の2種より細身のところもアラミスにマッチします。

丘陵地から低山地に分布します。カナブン緑色型との識別は
上のカナブンのところに書きました。個体変化は私は見た事が
ありませんが黄色っぽいのや赤っぽい個体がいるそうです。
九州の福江島の亜種はフクエアオカナブンといって、青紫色です。

去年8月に自県埼玉で探しましたが見つかりませんでした。もしかして
時期が遅かったのではと思い、今年は7月末に行ったらいました。
画像
画像
     アオカナブン 下:とカナブン(右)   2016年 7月30日 埼玉県
カナブンと並んで樹液を舐めていますが、カナブンの方が強く、
争いになるとアオカナブンは負けます。
この種の匂いは未確認です。先日掴んだ時は特に感じませんでした。
美形なので臭くないとか・・・・^^。宿題にします。


クヌギの樹液酒場
画像
アオカナブンが2匹、あとはカナブン 2016年7月30日 埼玉県
樫の木の樹液に群がるカナブンたち
画像
右上の1匹がアオカナブン、他は全部カナブン クロカナブンもいましたが
下へ落ちて、三銃士揃い踏みは逃しました。  2016年7月30日 埼玉県

この他樹液には親戚のシロテンハナムグリ等の大型ハナムグリや
アカマダラコガネがやってきます。初夏にはクロハナムグリ等小型
種も来ることがあります。

豆知識:世間で「カナブン」や「カナブンブン」と呼ばれているのは
     たいていドウガネブイブイヒメコガネなどの上翅を開い
     て飛ぶコガネムシです。 下に2種を掲載。
画像
        ドウガネブイブイ    2013年 6月30日 茨城県
画像
        アオドウガネ     2013年 6月29日 茨城県
     上翅を全開にして飛ぶドウガネブイブイ等は全体に丸い
     体形で、上翅の両肩の張り出しもありません。
     頭の形はカナブン類四角なのに対し、丸い形です。
     上翅の上部中央にある三角形の小盾板は小型です。

     ハナムグリ属カナブンは虫の知識のある人以外には
     ほとんど認知されていないのが現状です。

飛翔の特徴について
カナブンなどハナムグリ属は上翅を開かずに飛べることです。
上翅は両肩部分が張り出していて、後翅の羽ばたく関節部分を
カバーする構造になっています。(上のアオカナブンの項の1枚
目・2枚目の写真参照)上翅の中央前側にある3角形の部分は
小盾板という名前ですが、ここが大きいのがこの仲間の特徴です。

飛ぶ前にウォームアップが必要です。腹部を細かく上下させて体
を暖めます。上翅と尻の境目を見ると動いているのがわかります。
私はこれを「ケツを動かす」と呼んでいました。クワガタやカブトムシ
を含むコガネムシ科全般に見られます。タマムシも上下でなく前後
気味に動くのでわかります。カミキリは顕著なこの行動は無いよう
に見えます。
体が暖まると上翅の側面を持ち上げ、隙間から後翅を出して羽ば
たき、飛び立って行きます。


夏の樹液酒場の常連カナブン三銃士、クワガタやカブトムシ捕り
ではザコだの外道と呼ばれる気の毒な存在ですが、意外ときれい
で面白い虫です。見かけたら観察してみて下さい。


今回も閲覧ありがとうございました。 次回もお楽しみに!

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 22
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!)
面白い
かわいい

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
楽しく拝見しました(笑顔
昔、こどものころ、夏休みに早起きして大文字山に登ります。
目的はミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、カブトムシなど、、蜜の出ているクヌギを見つけると必ず居るのがカナブン、、アオカナブンとカナブンが多かったですね、、でも、肝心の獲物は居ません、、そこで、大きな石を見つけてきて、クヌギの大木を叩きます、、振動が伝わり、ぼとぼと、、、クワガタが落ちてきます、、楽しかったなぁ、、、。
こんなことを想い出していました(苦笑
OTSUKYON
2016/08/20 23:59
OTSUKYONさん ありがとうございます。

大文字山ですか。送り火は今年は雨の中
だったそうですね。
多くの人は知らないと思いますが、2000年
を過ぎた頃までギフチョウがいたそうです。
環境悪化もあると思いますが、採集の影響
だと言われています。
そんな山ですからクワガタなどがたくさん
いたというのも頷けますね。ミヤマはうら
やましいですね。私は平地育ちで、夏休みに
友達や後輩がレジャーや帰省でミヤマを捕り
それを指を咥えて見ていました^^。
結局自分で捕ったのは成人後でした。

クワガタを落とすのに石を使うのも山なら
ではですね! こちらは無いのでキック力が
頼りでした、太い木だときつかったです。
つばさ2号
2016/08/22 07:05
普通にカナブンと言われているものはコガネムシの仲間で、ハナムグリ科のカナブン、クロカナブン、アオカナブン、がホントのカナブンということですか?

アオカナブンは美剣士に例えられるのも納得できる、
綺麗な色ですね。
あん
2016/08/22 16:26
カナブンとドウガネとか識別は難しいですね。
緑のもたくさんいて悩むところです。
でもこの緑はひときわ鮮やかで分かる……かな?
小盾板の形も識別ポイントでしょうか……。
toki
2016/08/22 20:22
あんさん こんばんは。

虫の知識が無い普通の方々はやや大きい
コガネムシ類を一様にカナブンと呼んで
いるようです。
ハナムグリ科のカナブン、クロカナブン、
アオカナブン等の正式和名がカナブンと
いう名称が付きます。

アオカナブンの色はストロボで赤くなったり
するのできれいさを表現する撮影は、結構難
しいものです^^。
ありがとうございました。
つばさ2号
2016/08/22 22:15
tokiさん こんばんは。

比較用に丸いドウガネ2種を追加しました。
カナブンの角ばった形と比べれば、カナブン
が所属するハナムグリ類と一般のコガネムシ
の見分けが付くと思います。
ややこしいですがトラハナムグリのグループ
はやや丸い形をしています。でもオオチャイ
ロハナムグリはちゃんと大きな小盾板があり
ます。 ありがとうございました。
つばさ2号
2016/08/22 22:26
子供の頃、私はヘボ甲虫採取者だったので
本命のカブトムシやクワガタムシは何時も
坊主でした。
何とか自力で捕まえられるのは、
これらのカナブン類、ゴマダラカミキリ、
ナナホシテントウくらいでした(涙)。
ヒメオオ
URL
2016/08/28 09:31
ヒメオオさん おはようございます。

昔はどこにでもいたクワガタとカブト、
今はかつての多産地でもみつかりません。
田舎でいないのは採集がかなり影響して
いると思います。有名産地は採集が集中
するからです。東京近郊なら開発が進ん
でいたから尚更です。
ヒメオオさんが採れなかったのはたぶん
私の時代より後なので、すでに個体数が
減っていた為でしょう。腕が悪いのでは
無く虫が少なかったせいです。

ありがとうございました。
つばさ2号
2016/08/29 08:26
近所の森ではアオカナブン見た記憶がなかったですが、なるほど山地性なんですね。
識別は後肢の付け根というのは勉強になりました。
ジダン
2016/08/30 16:56
ジダンさん こんばんは

アオカナブンは昔平地も少しいたようです。
浦和で記録が残っているそうです。でも
環境悪化や高温に弱いらしく、山地でも
減っている現在ではとても平地での繁殖は
無理なようです。丘陵域では細々と生息を
保っています。

識別法はかなり昔の図鑑にも出ていました。
ジダンさんレベルなら表側だけでわかると
思います^^。ありがとうございました。
つばさ2号
2016/08/30 19:50

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
エナメルの輝き カナブン三銃士 四季 生き物達の風景/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる